ポール・ビューマー(1982年生)
オランダ、ハーグのロイヤル・アカデミー・オブ・アーツの学部を卒業し、アムステルダムのライクスアカデミーにて2年間の滞在制作を経験した。
近年の個展には北京の清遠アートセンターにて 「Paint wide Mouth white」、ワイマールのパレ・スハルト、ゲーテ・パビリオンにて「 In the shade of the elms and willows, my friend drink until they are inspired」、ハーグのギャラリーDürst Britt & Mayhewにて「 I wont have the luxury in seeing scenes like this much longer」等。
ウェブサイト
www.paul-beumer.tumblr.com
私の絵画活動は、西洋とアジア、それぞれの風景絵画の手法とその関係性に重きを置き、形成と抽象の間を振り子のように自由に揺れ動いている。単にスタイリッシュなごまかし等ではなく、内省的にかつゆっくり進化していくものとして絵画を捉えたい。私にとって絵画とは、何か堅い形式的なコンセプトの結果として立ち現れるものではなく、記憶や体験、考えの総体を紡いでいくものなのである。
滞在プロジェクト/リサーチ
西洋では、一般的に哲学は本から生まれるものだと考える。またアジアでは、岩やアート(視覚芸術)や工芸のようなものからも哲学が生まれ得るという認識がある。 私は、co・ikiでの滞在期間中に、十分に表現されることで、哲学にも生き方にもなり得る日本的美学の形式「侘び寂び」をリサーチします。
「侘び寂び」的な物は素朴かつ質素で、気取らない、また自然な素材からつくられています。 私は「侘び寂び」の美というものが知覚的な出来事であるという点に最も興味があります。それはある条件のなかで習慣化したものの見方が外れ、物事が異化された時に起こることであり、日常的とおもわれているような物事において非日常的なことが認識されることもまた「侘び寂び」です。 私はある物体が「侘び寂び」作品へと変容する過程と自身の画家としての活動とがどのように関係していくか、この滞在中に解き明かしたいと思います。